きんぴらと白磁

きんぴらごぼうの“きんぴら”って何?

調理法の名前で、繊切りにした材料を砂糖・醤油を用い甘辛く炒めたものってことは知られているかと思いますが、その語源は特に気にすることもなく地名かなと漠然と思っていました。

しかし調べてみるとビックリ。
きんぴら(=金平)とは童話の金太郎としても知られる坂田金時の息子・金平の名のようです。
ごぼうは江戸時代には精のつく食べものと考えられており、強くて勇ましい金平から付けられたとか。

へぇ~!
また1つ賢くなってしまいました♪

 

長野県上田市で作陶されている阿部春弥さんから器が届きました。
ほんのりと青みを帯びた阿部さんの白磁は、繊細な仕事ながら大らかで優しい雰囲気です。

白磁陽刻三島文 豆皿(Φ8.6xH2.2cm/¥1,050)、5寸皿(Φ15.5xH2.5cm/¥2,520) ともに阿部春弥

土ものの器の装飾技法の1つ、三島手の文様を白磁に表現したお皿が2サイズ。
三島手のように掘って化粧土で埋められた象嵌ではなく、僅かに盛り上がった陽刻となっています。
遠目では無地のようにも見えますが、でも細かな文様が入っており静かに主張しています。
一見奥ゆかしく控えめ、でも実は凄いんですな女性のようですね!?(なんのこっちゃ)

豆皿は深さもあるのでお刺し身の醤油皿、薬味、天ぷらに添えて梅塩なんかもオシャレです。
5寸皿は取皿や小さなおかずにいいサイズですが、フラットな形状を活かしてケーキやカルパッチョなど洋を合わせても面白いと思います。

白磁しのぎ矢羽根 4寸甲鉢(Φ12xH4.5cm/¥1,470)、5.5寸甲鉢(Φ16.8xH6.3cm/¥3,360)
ともに阿部春弥

鎧の兜の頭を覆う部分、帽子みたいな形状の広くて深い器を甲鉢(兜鉢)と言います。
深さのある鉢でリムがあるので、適当に盛り付けても余白があり盛りつけがキマるのも特徴です。
こちらの阿部さんのものは矢羽根模様が鎬で入れられており端正な印象です。

4寸はちょっとした惣菜の小鉢に使い勝手が良さそうで、青菜のお浸しなんて綺麗だと思います。
5.5寸は煮物やサラダなんかにイイですね。

同4寸甲鉢にきんぴらごぼう


お花とお花の器

私事ながら先週4回目の結婚記念日がありました。
忘れないように嫁はんの誕生日と同日なのですが、酷いことに思い出したのは直前でした。

とりあえず前日に友人が京都で営むstudio2065にお花を手配。
以前も正月用のお花を用意してもらったかなーりオシャレなお花屋さんです。
今回は箱入りアレンジメントをお任せで。
誕生日プレゼントは後日一緒に買いに行くとして、当日なんとかカッコつくようにしました。

あれれれれ?…待てど届かず。
そしてハッ!と失敗に気づくも時既に遅し。
家へ送ってと頼んだものの引越したことを伝え忘れており、見事お花は旧住所へ届いていました。
慌てて転送手続きをしたものの到着は翌日です。

こうしてダメ夫の烙印は確実に押されたのでした。
みなさま記念日の準備はお早めに!

届いた素敵なおハコ♪

 

稲村真耶さんより上のお花に勝るとも劣らない可憐なお花の器が届きました。
今の季節に清涼感ある磁器の器はいいですね。

花ちらし八角7寸皿(Φ21.2xH4cm/¥5,250/稲村真耶)

やや滲んだ呉須で描かれたお花に紅点と緑点がアクセントになった可愛らしい器。
数人分の料理やメインのおかずに、またお刺身の盛り合わせも見栄えがイイと思います。
ハレの日やお正月に重箱みたいに使っても良さそうです。

白磁・瑠璃釉 輪花小皿(Φ9.8xH2.2cm/¥1,890/稲村真耶)

不均一な花弁が可愛らしい輪花小皿、白磁のものが加わり瑠璃釉と2色になりました。
豆皿よりはやや大きく醤油皿にもちょうどいいサイズです。
上の八角皿にお造り、こちらの白磁にお醤油でバッチリ。

印刻牡丹文5.5寸皿(Φ17.5xH3.7cm/¥3,150/稲村真耶)

印刻による凹凸で細かな文様がほんのり浮き出ており、器全体で牡丹の花が表現されています。
見ているだけでもウットリ。
無地のように料理を選びませんし、通常のおかずに使い勝手がいいサイズと深さです。

同5.5寸皿にハタハタの塩焼き

八角形や輪花など形に特徴のある器は1つ食卓に取り入れるとアクセントにもなりますね。


白磁いろいろ

“ぞうのババール”というお話をご存知ですか?
名作絵本のようですが恥ずかしながら自分は知りませんでした。

その“ぞうのババール”には絵本以外に音楽物語があります。
1989年に発売された日本語版CDはピアノクラシックと忌野清志郎さんによる読み聞かせなんです!
先月の命日にRCサクセションやソロの曲を店で終日聴いていたのですが、その日に来られたお客さまに「息子さんと今度聴いてみてください」とオススメされ後日CDを持ってきてくれました。

息子よりも父ちゃんのほうが楽しみで早速寝かしつけの際に流すことに。
しかし2歳6ヶ月の我が子にはストーリーが難解かつ音楽がやや怖そう。
それでも「ババールがエレベーターに乗ってるねぇ!」「車に乗るんだって!」と復唱しています。
情景は浮かべているようですね。

ただ重大な問題がありました。
途中ムラがあるものの35分最後まで聞き、挙げ句「もう1回っ!」と寝てくれません…。

 

天気のいい日が続いており暑くもカラッとしていますね。
ちょっと梅雨が中休みしすぎで夏の水不足が心配です。
そんななか夏場にも涼し気な白磁がいくつか届いています。

長野で作陶されている阿部春弥さん、先日の松本にて新たに取扱させていただくことになりました。
やや青みがかった色合いに細かな仕事の白磁は優しくも凛とした雰囲気です。

注文分は少し先になりそうですが、せっかくなので少し分けてもらってきました。

白磁面取マグカップ(W11.2xD8.3xH7cm/¥3,150/阿部春弥)

太めに面取されたマグカップは8分目で160ccほどの珈琲向き。
クラシカルなような新しいような高さの割に径の太いバランスが可愛らしいですね。

白磁陽刻三島文豆皿(Φ8.6xH2.2cm/¥1,050)、白磁縄文6寸皿(Φ18.2xH3.5cm/¥2,730)
ともに阿部春弥

三島手の器にある文を白磁に薄っすら浮かびあがらせた豆皿は上品な佇まい。
醤油皿にはもちろん、天ぷらに添えて抹茶塩などの変わり塩とかバッチリ合いそうです。

縄を押し当てたような矢羽のような模様がフチに入った6寸皿。
平らで広い見込みに深さもあるので、肉じゃがや煮魚といった汁気のある料理に使いやすそうです。

 
また土岐の加藤仁志さんの白磁も少し届いています。

白磁鎬片口鉢(W15.5xD14.8xH5.3cm/¥3,150/加藤仁志)

白磁鎬のシリーズに浅鉢として使いやすそうな5寸ほどの片口鉢が新登場。
手仕事感を出して柔らかく入れられた鎬や指で押さえて作られたような口から温かみが感じられます。
山かけマグロとかどうでしょう。

ジメジメ嫌な季節を生花一輪で気分転換させてくれそうな加藤さんの花器も。

左から 白磁鎬小花器A(Φ7xH9.7cm/¥2,835)、B(Φ7xH10.5cm/¥2,835)、
角花入S(W4.6xD4.6xH9cm/¥2,730)、L(W4.6xD4.6xH12.8cm/¥3,150) 全て加藤仁志